2025.5.27

日本の就労ビザ16種類をわかりやすく解説|取得の流れも紹介

日本で外国人が合法的に働くためには、職種や業務内容に適した「就労可能な在留資格(就労ビザ)」を取得する必要があります。

本記事では、日本にある16種類の就労ビザを一覧でわかりやすくまとめたうえで、注目度の高い「特定技能」の特徴と、企業や申請者が押さえておきたい「ビザ取得の流れ」について詳しく解説します。


■日本の主な就労ビザ16種類|対象職種・要件・期間まとめ

日本で働くためには、職種や業務内容に応じて適切な就労ビザ(在留資格)を取得する必要があります。以下は、日本で代表的な16種類の就労ビザについて、対象職種、主な要件、在留期間を一覧にまとめたものです。

ビザ名 主な対象職種 主な要件 在留期間
技術・人文知識・国際業務 IT、通訳、営業、設計など 関連学位 または 実務経験10年以上 3カ月〜5年
技能 調理師、建築職人、スポーツ指導者など 原則10年以上の実務経験 3カ月〜5年
経営・管理 起業家、会社経営者、支店長 資本金、事業実態の証明が必要 3カ月〜5年
企業内転勤 海外支社からの転勤社員 1年以上の勤務歴が必要 3カ月〜5年
教授 大学教授、研究者 学位または十分な職歴 3カ月〜5年
医療 医師、看護師、歯科医師など 日本国内での医療資格 3カ月〜5年
法律・会計業務 弁護士、公認会計士など 該当する資格の取得(国内外) 3カ月〜5年
教育 中学校・高等学校などの教員 教員免許などの資格 3カ月〜5年
興行 歌手、俳優、プロスポーツ選手など 活動実績、契約内容 15日〜1年
介護 介護福祉士 国家資格(介護福祉士)取得 3カ月〜5年
宗教 宣教師、僧侶など 海外宗教団体からの派遣実績 3カ月〜5年
芸術 画家、作曲家、写真家など 高度な専門性と実績 3カ月〜5年
研究 研究機関・大学等の研究者 該当分野での職歴・学歴 3カ月〜5年
報道 記者、編集者、カメラマンなど 報道機関に所属していること 3カ月〜5年
技能実習 製造業、農業などの実習生 実習計画の認定と監理団体の管理 原則3年(最大5年)
特定技能 介護、建設、農業、外食など 技能試験+日本語試験(または実習2号修了) 1号:最長5年 / 2号:更新可能

■特定技能ビザの特徴と現状

「特定技能」は、2019年に導入された在留資格です。人手不足が深刻な業種で、一定のスキルと日本語力を有する外国人を即戦力として受け入れることを目的としています。

🔹特定技能1号の概要

 対象分野:介護、建設、外食業、農業、ビルクリーニングなどの分野

 在留期間:通算5年(更新可、ただし家族帯同不可)

 取得要件

 ・分野別の技能評価試験に合格

 ・日本語能力試験N4相当以上(または技能実習2号修了)

🔹特定技能2号の概要

 対象分野:現在は建設・造船など一部のみ

 特徴

 ・家族帯同が可能

 ・在留期間の更新が可能で、長期滞在・永住への道も開かれる


■就労ビザ取得の流れ|企業・個人それぞれが行う手続きとは?

就労ビザの取得には複数の段階があり、企業と本人の双方に準備が必要です。以下は、最も一般的な「在留資格認定証明書交付申請」→「ビザ取得」の流れです。

① 内定・雇用契約の締結
  • 外国人が就労予定の企業と正式に雇用契約を結びます。

② 在留資格認定証明書の交付申請(企業側が行う)
  • 提出先:地方出入国在留管理局

  • 提出書類の例:

    ・雇用契約書

    ・企業概要書

    ・業務内容説明書

    ・外国人の履歴書、卒業証明書など

  • ・審査期間:通常1〜3カ月

③ 外国人本人が現地でビザを申請
  • 在留資格認定証明書を受け取った後、母国の日本大使館・領事館でビザを申請します。

④ 入国 → 在留カード交付
  • 入国時に在留カードが発行され、正式に日本での就労が可能となります。


■まとめ

日本の就労ビザ制度は、職種・業務内容に応じて複雑に分かれています。特に「特定技能」は、今後の外国人雇用において重要な役割を果たす在留資格です。

制度の理解が不十分なまま申請を進めると、不許可や不法就労のリスクもあるため、企業側も申請内容をよく確認し、必要に応じて専門家や行政書士に相談することが望まれます。

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