2025.4.30

特定技能外国人の採用方法と登録支援機関の活用ポイント

現在、多くの企業が深刻な人手不足を解消するために「特定技能外国人」の採用を検討しています。大阪などの都市圏でも特定技能人材の採用が増加傾向にあり、「登録支援機関」や「特定技能紹介会社」の活用が注目されています。

この記事では、 特定技能外国人を採用したい企業様向けに、特定技能制度の基本から、登録支援機関への支援業務の委託、特定技能紹介会社の活用方法について解説します。


■特定技能制度とは?

特定技能制度は、日本政府が2019年に創設した外国人のための新しい在留資格制度です。
特定技能は「特定技能1号」と「特定技能2号」に分かれており、受け入れ可能な業種や在留期間などに違いがあります。

  • ▹特定技能1号 :在留期間は最長5年、家族帯同不可。業種は介護、ビルクリーニング、農業、外食業など14分野。

  • ▹特定技能2号:在留期間の更新制限なし、家族帯同可。対象業種は建設業、造船・舶用工業のみ。


■特定技能外国人の採用フロー

特定技能外国人を採用する流れは以下の通りです。

  1. 受け入れ要件の確認

  2. 特定技能外国人の募集・選考

  3. 雇用契約の締結

  4. 支援計画の策定と実施体制構築

      ↳※登録支援機関への支援業務委託が可能です。

  5. 在留資格申請

  6. 採用した外国人材の入国・就業開始

※特定技能外国人は、「直接雇用」が原則であり、派遣や請負契約の形で他社の現場へ送り出すことは認められていません。


■「請負契約」の誤解に注意|違反すると行政処分に

特定技能制度では、「直接雇用」が絶対条件となります。そのため、「請負契約」の形で特定技能外国人を他社の現場で働かせることは入管法違反となります。

  • ▹認められる「請負(委託)」は、あくまで登録支援機関に支援業務を依頼する場合のみです。

  • 労働そのものを他社に請負契約や派遣形態で委託することは厳しく禁じられています。

これに違反した場合、企業は厳しい行政処分を受ける可能性があるため、誤解のないよう十分注意してください。


■登録支援機関の役割とは?

特定技能外国人の採用企業は、外国人の生活や業務に関する支援を義務付けられています。しかし支援業務を自社で行うことが困難な場合、「登録支援機関」への業務委託(請負)が可能です。

登録支援機関が請負可能な主な支援業務は以下の通りです。

  • ▹外国人材への入国前ガイダンス(入国前の説明・準備支援)

  • ▹入国・出国時の送迎サポート(空港などへの送迎対応)

  • ▹住居の確保や生活サポート(住まいや日常生活の支援)

  • ▹銀行口座の開設支援(口座開設手続きのサポート)

  • ▹日本語教育支援(職場や生活で使う日本語指導)

  • ▹定期的な面談や相談対応(生活や仕事に関するフォロー)

※登録支援機関は数多く存在するため、自社のニーズや地域性に合った機関を選ぶことが重要です。


■採用費用の概要(簡易版)

特定技能外国人を採用する際に主に以下の費用が発生します。

  • ▹特定技能紹介手数料(紹介会社利用時)

  • ▹在留資格の申請費用

  • ▹登録支援機関への月額委託費用(支援業務請負)

※相場の目安については、こちらのコラムで解説しています。関心のある方は併せてご覧ください。


■まとめ

特定技能外国人を採用する際は、登録支援機関を効果的に活用し、支援業務を委託(請負)することがポイントです。ただし、特定技能外国人の労働そのものを他社に請負や派遣することは法律で禁止されているため、注意が必要です。

正しい制度理解をもとに、適切な特定技能紹介会社や登録支援機関を選びましょう。


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