日本では少子高齢化の影響により、労働人口の減少が社会課題となっており、多くの業種で人手不足が深刻化しています。特に介護、外食、製造、建設などの現場では、慢性的な人材確保の難しさが指摘されてきました。
こうした中、「外国人採用」が注目を集めています。特定技能制度の創設や登録支援機関制度の整備により、外国人労働者の受け入れが以前よりもスムーズになり、実際に現場での活躍も広がっています。
本コラムでは、外国人採用の代表的なメリットを3つに整理し、採用の一般的な手順、そして成功のために押さえておきたいポイントまでをまとめてご紹介します。
■外国人採用の3つのメリット
▹人手不足の解消
慢性的な人材不足に悩む業界にとって、外国人採用は即戦力としての人材確保手段として有効です。特定技能制度の対象となっている業種では、一定の専門性と日本語能力を持つ人材の受け入れが可能となっており、現場の即戦力として期待されています。
▹若手で優秀な人材の確保
外国人労働者の多くは20代~30代の若手が中心です。来日前に語学や職業訓練を受けており、向上心や勤労意欲も高い傾向があります。中長期的に育成・定着させていくことで、企業にとっても大きな戦力となる可能性があります。
▹多言語・多文化対応の強化
外国人スタッフを採用することで、英語や中国語、ベトナム語など複数言語に対応可能な体制が構築できます。海外顧客対応やインバウンド需要にも柔軟に対応できるほか、社内の多様性が促進され、職場の活性化にもつながります。
■外国人採用の一般的な手順
外国人採用を進める際には、以下のような手順が一般的です。
① 業務内容と受け入れ条件の整理
まずは、自社で従事させたい業務が、外国人の在留資格で対応可能かどうかを確認します。例えば、特定技能の場合は対象業種や職務内容が法律で定められています。
② 採用方法の決定
国内外の人材紹介会社、ハローワーク、専門サイトなどを通じて人材を募集・選考します。大阪エリアでは、特定技能紹介を行っている支援団体や教育機関も多数存在します。
③ 在留資格関連の手続き
採用が内定したら、在留資格認定証明書交付申請や在留資格変更申請を行います。在留資格によっては、企業が登録支援機関と連携し、生活支援計画などの提出が求められます。
④ 入社・受け入れ準備
入社時には、職場環境の整備や受け入れ研修の実施が重要です。特に言語面や生活習慣の違いに配慮した体制づくりが、円滑な業務開始につながります。
■採用を成功させるためのポイント
▹登録支援機関との連携
特定技能制度においては、外国人が日本で安定して働けるよう支援する体制が求められます。登録支援機関は、行政手続きの補助や生活支援、相談対応などを担い、企業と外国人双方の不安を軽減する役割を果たします。
▹文化理解と職場内の多様性促進
外国人との協働には、言語や文化の違いへの理解が欠かせません。社内でのマナー研修やOJT(※職場での実務を通して知識やスキルを習得させる育成手法)の工夫を通じて、多文化を尊重する職場風土を醸成することが大切です。
▹柔軟な雇用形態の活用(請負・紹介など)
採用手法としては、直接雇用だけでなく「請負契約」や「
※「請負契約」と「人材紹介」の違いについては、こちらのコラムにて解説しております。関心のある方は併せてご覧ください。
■まとめ
外国人採用は、企業にとって人手不足の解消や職場の活性化に有効な手段であり、制度の整備により導入もしやすくなっています。
特定技能制度や登録支援機関の活用、柔軟な採用形態(請負・紹介)を適切に組み合わせることで、より安定した受け入れが可能になります。
大阪エリアでの特定技能紹介に関する支援体制が広がっており、これから外国人採用を検討する企業にとっては、チャンスといえるでしょう。
制度を正しく理解し、現場に即した導入を進めることが、採用成功の鍵となります。