Columnコラム

日本で働くための在留資格のひとつである 「特定技能」 を持つ外国人材の皆さんが、より良い労働条件やキャリアアップを求めて転職することは、法律で認められている正当な行動です。
しかし、在留資格に関わる手続きが必要となるため、「いつ動くべきか」「何を準備すればよいか」など、不安を感じる方は多いでしょう。

特定技能での転職は、正しい知識と手順を押さえることで、将来のキャリアを大きく広げるチャンスになります。
今回の記事では、特定技能での転職を成功させるための3つの重要ステップと、在留資格を維持しながらスムーズに進めるためのポイントをわかりやすく解説します。

転職を始める前に、まずチェックすべきなのは 在留資格の要件 と 自分自身のキャリアの方向性 です。
最初の準備がしっかりできていると、スムーズに転職活動を進められます。

特定技能の在留資格で働けるのは、国が定めた12分野のいずれかに限られます。
原則として、同じ特定技能分野内での転職は可能 ですが、分野をまたぐ転職は認められていません。
例：

♦「特定技能：飲食料品製造業」 → 同じ分野へ転職：可能

♦「特定技能：飲食料品製造業」 → 「特定技能：介護」：不可

転職したい仕事が、現在の在留資格の分野に該当するかどうかの確認 は必ず行いましょう。

「給与が低い」「残業が多い」などの不満だけでなく、 キャリアアップにつながる経験をしたい、将来の永住申請を考えて職歴を積みたいなど、前向きな目的を整理しておくと、仕事内容のミスマッチを防げます。

特定技能の転職では、就職先の「特定技能外国人への理解」と「受け入れ体制」がとても重要です。

特定技能で外国人材を雇う企業は、入管への届出や、登録支援機関との契約など、さまざまな手続きを行う必要があります。
受け入れ実績が豊富な企業は、在留手続きに詳しい、入社後のサポートが手厚いという特徴があります。
転職エージェントを利用する場合は、特定技能専門のエージェント を選ぶと安心です。

● 内定後は必ず労働条件を細かくチェックする

特定技能では以下の条件が特に重要です。

♦ 給与が日本人と同等以上であるか

♦ 企業が生活支援・職業支援を行える体制か（登録支援機関の有無）

♦ 業務内容が特定技能の分野に該当しているか

雇用契約書は必ず細部まで確認し、不明点は事前に相談しましょう。

転職先が決まったら、次は「退職時」と「新しい職場で働く前後の手続き」です。
この部分を間違えると、在留資格に影響するため注意が必要です。

現在の会社との雇用契約が終了したら、あなた自身が14日以内に 入管へ「契約終了の届出」を提出する必要があります。
怠ると、今後の在留資格更新や転職時の審査に影響することがあります。

転職先が決まったら、以下のどちらかの手続きが必要になります。

• ♦ 在留資格変更許可申請（分野変更・期間変更がある場合）

• ♦ 契約機関に関する届出（同じ分野で働く場合）

多くの企業や登録支援機関がサポートしてくれますが、必要書類や期限は自分でも把握しておきましょう。

特定技能での転職は、より良い働き方とキャリアアップを目指す大切な一歩です。
在留資格のルールを理解し、特定技能に詳しい企業や支援機関を選び、退職から在留手続きまで適切に行うことで、転職を成功させることができます。

焦らず、正しいステップを踏めば、あなたのキャリアは日本でさらに広がっていくでしょう。