2025.6.9

技能実習制度とは?特定技能との違い・活用法を解説

外国人材の受け入れ制度に関して、日本では大きな制度改革が進んでいます。そのなかでも長らく活用されてきたのが「技能実習制度」です。この制度は、母国への技能移転を目的とした在留資格制度であり、製造・農業・建設などの分野で多くの外国人材が活躍してきました。

しかし、即戦力人材の受け入れを目的とした「特定技能制度」の創設や、企業の負担を軽減する「登録支援機関」の制度化により、外国人雇用の在り方が大きく変化しつつあります。

本記事では、技能実習制度の基本と、今注目されている特定技能制度との違い、登録支援機関や人材紹介・請負の活用について解説します。


■技能実習制度とは?

技能実習制度は、開発途上国等への技術移転を目的として1993年に創設された制度です。受け入れ企業と外国人との間で雇用契約を結び、日本の現場で実務を通じて技能を学びながら働くことができます。

対象分野は製造業、建設、農業、漁業、食品加工など幅広く、大阪をはじめとした全国の中小企業でも積極的に活用されています。最長の在留期間は5年で、原則として転職はできません。(※一部を除く)


■特定技能制度との違い

技能実習制度と特定技能制度には、以下のような違いがあります:

制度名 主な目的 在留期間 転職の可否 対象分野
技能実習制度 技術移転・国際貢献 最大5年 原則不可 製造・建設・農業など
特定技能制度 即戦力人材の受け入れ 1号:最大5年/2号:無期限更新 分野により可/不可 介護・外食・建設など14分野

特定技能はあくまで即戦力としての就労を前提としているのに対し、技能実習は“育成・教育”の意味合いが強い点が特徴です。また、技能実習から特定技能への移行も可能とされており、両制度を段階的に活用する企業も増えています。


■登録支援機関とは?

「特定技能」人材を受け入れる企業には、就労・生活両面での支援義務が課されます。ですが、これを自社だけで実施するのは難しいため、外部の「登録支援機関」に委託(=請負)するケースが一般的です。

登録支援機関の支援内容には以下が含まれます:

  • 🔹生活オリエンテーション

  • 🔹日本語学習の機会提供

  • 🔹住居の確保支援

  • 🔹役所や病院への同行

  • 🔹苦情や相談への対応


■人材紹介・請負サービスの活用も重要に

外国人材を活用するうえで、「人材紹介会社」の役割も非常に重要です。人材紹介会社は、企業のニーズに合わせて適切な技能実習生や特定技能人材をマッチングし、登録支援機関との連携で採用後の支援業務まで請負可能なケースも増えています。

最近では「紹介+登録支援+請負」の一体型サービスも広がり始め、採用から定着までをスムーズに進める体制づくりが可能です。


■まとめ

🔹技能実習制度は、外国人材の段階的な育成を目的とした在留資格制度です。
🔹即戦力採用には特定技能制度があり、制度間の連携活用が進んでいます。
🔹登録支援機関は、生活・労務支援のプロとして企業の負担を軽減。支援業務は請負契約も可能。
🔹人材紹介会社の活用により、採用から定着支援までのワンストップ対応が実現。特に大阪など地域に特化したサポートが注目されています。

外国人材の活用は、単なる採用ではなく、長期的な戦力化が鍵となります。制度の違いや活用方法を理解したうえで、自社に合った受け入れ体制を整えていきましょう。

コラム一覧へ